自分で考える子と考えられない子、親のかかわり方で大きな差がでる
「子どもには、自分で考えて行動できるようになってほしい」と考える保護者は多いと思います。今回は、保育士としての経験やチャイルドコーチングアドバイザーとして学んだことから、自分で考える子になる親の関わり方をお伝えします。
親がなんでも先回りして教えない
子どもができていないことがあるとき、すぐに答えややり方を教えていませんか? 自分で考える子に育つためには、親が先回りして教えず、子ども自身に気づかせることが大切。「このままだとどうかな?」「どうしたらいいと思う?」など自分で気づけるような声かけに変えてみましょう。
遠回りのように感じても効果があること
例えば、外は寒いのに子どもが上着を着るのを嫌がって、そのまま出かけようとした時。「今日は寒いから着なきゃダメ!」と強制するのではなく、「外の気温を確かめてみたら?」と一度外に出て、本人に寒さを体感させるといいと思います。ほかにも上着を着せずにいったん出かけて、寒さに気づき、「やっぱり上着が必要だった!」と感じさせるのもいいかもしれません。その際は、子どもが寒さに気づいた時にすぐ着られるように、親が上着を持っていくのを忘れずにしましょう。
これらの行動は一見遠回りのように感じるかもしれませんが、このような対応をしていくと「親が言うから上着を着る」のではなく「気温に合わせて自分で考えて上着を着る」ようになっていきます。
失敗を責めずに前向きに捉える
子どもの失敗を責めずに前向きに捉えることも大切です。大人の指示ではなく、自分で考えて行動すると失敗してしまうことも多くあるかもしれません。そんな時、子どもが落ち込まず「次はどうしたらいいか」にフォーカスできるように声かけをしましょう。
次に生かせる声かけとは
例えば、飲み物をコップに注ごうとしてこぼしてしまった時。「こぼすならもうやらないで!」ではなく、「次はコップを押さえたらこぼれないよ」「注ぐ飲み物の量が多いとこぼれやすいよね。自分でそそぐのは少ない時にしてみようか」など、次に繋がるように子どもに考えさせるといいと思います。また、自分でこぼした飲み物の掃除をさせて、「自分できれいにできたから大丈夫だよ」と励ましてあげれば、失敗を落ち込むことなく、次はさらに慎重に行動するはずです。
子どもの考えを最後まで聞く
親から見ると間違っていたり、一見ただのワガママに思えることも、子どもなりの理由があるかもしれません。「良い・悪い」だけを伝えるのではなく、どうしてそうしたのかを聞く姿勢をもつことが大切です。
普段から自分の考えを尊重されている子は、自分で考え自分の意思で行動する習慣がついていきます。また気持ちを受け止めてもらえた経験から、人の気持ちを考え受け止められるようにもなっていきます。
気持ちをしっかり受け止める
例えば、友達を押してしまった時。頭ごなしに「友達に手を出したあなたが悪い!」と言うのではなく「どうして押してしまったの?」と尋ねます。「相手に先に押されたから」「許せないことを言われたから」など理由を話すと思います。それをしっかり聞いて、子ども自身の悲しかったり悔しかったりした気持ちを受け止めたうえで、「押すのは危ないからいけないよ。どうすればよかったかな?」「お友達になんて言おうか?」と一緒に考えていけるといいですね。
どんな時も子どもを信じて見守ること
3つのかかわり方をするには、親が子どもを信じていることが必要です。「どうせできないだろう」「わかっていないだろう」という目で子ども見ていたり、子どもに対して不安感があると、先回りして声かけをしたり、早くできるようになってほしいという思いからきつく叱ってしまったりしがちです。
子どもは失敗しながら、いろいろなことができるようになっていきます。ケガや物を壊すなど、大きな問題につながることでなければ、できるだけおおらかに見守ってチャレンジさせてあげたいですね。大人に何度も言われて覚えるより、自分で経験して学んだ方ができた時の喜びは大きく自信がつきます。
子どもが自分で考えのびのびと行動していきるように、子どもの「やってみたい」を、私たち親は一歩離れて見守ること、失敗も前向きに捉えること、考えを聞いてあげることが大切です。「あなたならきっとできるよ」という気持ちで子どもの成長に寄り添っていきましょう。