「今日は遊べない」って言えますか?断ることができる子になるには

友達からの遊びの誘いを、「今日はちょっと…」と思っても、断れない子どもは多いと思います。今回は、友達の要求に合わせてばかりのわが子がちょっぴり心配なママやパパへ、保育士をしていた私が、断ることができる子に育てるために行っていることをお伝えします。

相手に合わせてばかりでは疲れてしまう

幼稚園や学校では、「お友達に優しくしましょう」と教えます。もちろん、友達に優しくできるのはすばらしいこと。でも、優しすぎて自分の意見が言えない子どもが多いとも感じます。友達に遊ぼうと言われたら、いつも「いいよ」と言う子は、本人も気づかないうちにストレスをためているかもしれません。
友達に誘われたときに、「ほかにやりたいことがある」「今日はほかの子とも遊びたい」「今はゆっくりしたい」など、どんな子にも遊びくない時はあるはずです。相手に合わせることも必要ですが、いつも自分の気持ちを押し殺してばかりでは疲れてしまいます。きちんと今自分がどう思っているか、イヤならイヤだという気持ちを話せたらいいですよね。

やっとゆっくりできる!と思ったら友達が遊びに来て…

先日わが家でもこんなことがありました。
放課後は習い事で忙しい小4の息子。ようやく何も予定がない日ができて、「はぁ~やっとゆっくりできる~」とソファーでゴロゴロしていた時、玄関のチャイムが鳴りました。「今日習い事ないんでしょ?遊ぼう!」と、遊びの道具やおやつを持って、意気揚々と友達がやってきました。息子は、休みたいけど誘いを断るのは申し訳なく思ったようで、困った顔で私に相談してきました。

そこで親子でこそっと話し合い「今日は宿題が多いから、遊べないんだ」と断ることにしました。すると友達は「オッケー!わかった!」と気にすることなく帰っていき、息子はとてもホッとしていました。そして後日、余裕のある日に、何事もなかったようにその友達と楽しく遊べたのでした。

相手の気持ちを考えられるからこそ断るのが難しい

小4の息子ですら、友達の誘いを断ることにこんなに悩むのですから、幼稚園児や小学校低学年の子にはもっと難しいことだと思います。素直になんでも「イヤ!」と言っていた時期を過ぎ、少しずつ相手の気持ちも考えられるようになってきたからこそ、断りにくくなってしまいますよね。

「断ってもいい」けれど「相手を傷つけてはいけない」

園や小学校に通っている年代であれば、子どもが頭を悩ませて心を痛めなくて済むように、断り方を親が一緒に考えてあげるのもいいのではないでしょうか。そのとき、わが家では、ポイントとして「断ってもいい」けれど「相手を傷つけてはいけない」、この2つを分けて伝えています。

本人の素直な気持ちを受け止める
まず「ほかにやりたいことがある」「ほかの子とも遊びたい」「今はゆっくりしたい」など、自分の気持ちを尊重して断るのは悪いことではないことを話します。まず本人の素直な気持ちを話してもらい、それを受け止めます。

傷つけない理由を一緒に考える
その次に、友達が悲しまないようにするにはどのように伝えればいいか一緒に考えます。「遊びたくない!」とストレートに言ったら、傷つけたり怒らせてしまいますよね。理由を話してわかってくれる場合なら正直に伝えますが、それだと角が立つ場合はほかの理由を考えます。

それでも、子どもの性格によっては断るのにとても勇気がいるかもしれません。相手の子が自分の要求を通そうとすることもあると思います。上手く言えない時もあると思いますが、親が代弁してあげたり、自分で挑戦してみたり、繰り返しながら、少しずつ自分の意見を言えるようになっていけたらいいと思います。

自分を大切にしながら相手も大切にしよう

私たち大人も、人の誘いや頼み事を断るのが苦手な人は多いのではないでしょうか。私もずっとそうでした。でも、子どもができてからは、全部を受け入れていたら自分のキャパを超えてしまう状況になり、勇気を出して無理なことは、しっかりと断るようになりました。そして「相手を傷つけないよう断る」ことを意識して対応をすれば、断っても相手が離れていくことはないとやっと気づいたのです。

自分の気持ちを大切にしながら相手も大切にすること。この方法を私も子どもの時から知っていれば、もっと気楽に学生時代や社会人生活を過ごせたと思います。だからこそ子どもたちには、小さな頃から少しずつ練習していってほしいと思っています。
友達関係で悩み、登園しぶりや不登校になってしまう子どもも多くいます。自分の気持ちも相手の気持ちも大切にしながら、意見を言えるようになるのはとても大切なこと。子どもたちみんなが、お互いを認め合いストレスを溜めずに友達と心地よく関われるようになっていけたらいいなと思います。

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