「入園までにトイトレ完了」は必要?元保育士が伝えたいこと
「夏はトイレトレーニングに適している」と聞いて、この夏トイトレにトライした家庭も多いのではないでしょうか。うまくいったケースもあれば、まだ完了していないという家庭もあると思います。なかなかうまくいかず、入園前にトイトレが終わるかしら…と不安になることもあるかもしれません。
今回は保育士として園児と接していた経験をもとに、進め方や入園前にトイトレを完了するよりも大切にしてほしいことをお伝えします。
どうして?入園前にオムツが取れると良い理由
園によっては「入園までにオムツはなるべく取ってきてください」と言われることもありますよね。その理由は、幼稚園が始まると朝の活動や製作、運動遊びなど少しずつ集団行動をすることになるため。みんなで一緒に動くことが増えるので、トイレに自発的に行けると園生活がスムーズに送れるという配慮もあります。
事前に園の方針を確認しておくと良いですね。
ママたちのリアル体験談!
まず、どのようにトイトレを進めていったのか、入園前のママたちに聞いた方法をお伝えします。
・1歳過ぎたら声かけをして、1歳半で自然にとれました。布オムツ使用もよかったのかな?
・幼稚園プレのバッジをもらったらやる気になったので、お気に入りのパンツを購入。1週間で取れました。でも、寒くなってきたので、夜はおもらしすることもあります。
・普段からお兄ちゃんのトイレの様子を見せていました。夏に集中してトレーニングしたらできるようになりました。
・3歳過ぎたころから、トイレに誘っていますが、1時間も間が空きません。おしっこが出る感覚もつかめていないみたい…。もぞもぞする姿で分かるので、うんちはトイレでできています。
・3歳過ぎて、声をかけたら段々とできるようになりました。お出かけの時や、夜はオムツをはいています。
・2歳の夏、できたらシールを貼れるご褒美でトイレに誘いました。おしっこの失敗はないけれど、うんちはちょっぴり出てしまい間に合わないことが多々あります。
以上の声から分かるように、トレーニングスタートしたきっかけ、進め方、オムツが外れる時期は本当にさまざまでした。
保育園でのトイレトレーニングの進め方は?
保育園では、一人ひとりの発達を見つつ、必要な子どもからトイレに誘っていきます。
まずはトイレに行き、まだおしっこが出なくても座ってみる、場所に慣れる、という所からスタート。トイレに行くのがイヤという子がいる場合は、たとえば好きな動物の絵を貼っておき「どうぶつさんに、会いに行こう!」「トイレに座れたらタッチしよう!」など楽しくなる工夫もしています。
ほかには、お友達と電車ごっこをしながら、「トイレ駅、到着~!」なんて声掛けをすることも。大好きなお友達と一緒なら行ける、この先生と一緒なら行ける、という子もいます。家庭では、大好きなおもちゃやぬいぐるみで代用してもいいですね。このように、一人ひとりにあった方法でトイレに関心を持てるようにしていき、トイレに行けたこと、座れたこと、たまたまでもおしっこやうんちがトイレでできたこと、というように成功体験を重ねて自信をつけていきます。
段階を踏むことで、心の準備はバッチリできていくため、身体の準備ができた時に、スムーズにオムツがはずれる場合が多いのです。
トイレトレーニング成功の秘訣とは!?
つまずきがちなポイントはズバリ、まだ本人の心と体の準備が整っていないのに、ママが焦って進めてしまうこと。
・本人のやる気
・身体の成長(排尿間隔が1時間~2時間程あく、排尿感覚がつかめている)
成功への道はこの2つがそろっていることが必須です。やる気は、声かけや環境次第で引き出してあげられるかもしれませんが、身体の成長は個人差が大きいもの。失敗することが多いということが続く時は、改めて子どもの様子を観察してみてください。そのうえで入園する幼稚園とも連携を取り、焦らず進めていけるとよいですね。ちなみに、入園したらお友達につられてすんなりパンツに!なんてこともよくあります。
何よりも大切なこと
何より大切なのはオムツが取れていることよりも、安定した気持ちで入園を迎えること。穏やかな気持ちでいる子どもほどたくさんのことを学び吸収することができるからです。
もしトイレトレーニングが入園に間に合わなくても、落ち込む必要はありません。わが子の発達状況に合わせて対応した自分に自信を持ってほしいと思います。ママが笑顔でいると、子どもも穏やかな気持ちで過ごすことができますから。
入園までの残り数か月、親子ともに楽しい時間を過ごしてくださいね。