これも入学準備!身だしなみを意識できる子がもっている〇〇という感覚

卒園の時期が近づき、年長の子どもたちは小学校入学に向けて、園でも家庭でもいろいろな準備をしている頃ですね。

この時期に思い出すのは、私が保育士として勤務していた頃のこと。
「下着が見えていても気にせず遊ぶ、身なりや服装の乱れをまったく気にしない」という子どもたちのことが、卒園までの課題となっていました。
「シャツをしまうとかっこいいよね」「こんな風に下着が見えていたらどう?」「かっこわるい!」などと、子どもたちとやりとりしながら具体的に確認をしたり、気になる子へ個別に声かけをしたりすることで、だんだんと意識して直していけるように。
しかし、中にはなかなか定着しない子もいて、やはり家庭での声かけや関わりも大切だと感じていました。

服装の乱れ、子どもは自分で直せていますか?

自分自身が子育てをするようになって、身なりや服装を子どもが自分で意識できるようにするには、身だしなみについて繰り返し伝えること以外にも、「体の大切な部分だから隠す」という感覚を育てていくことが必要なのではと思うようになりました。
そこで今回は、「体の大切な部分だから隠す」という感覚を育てるために、そしてそこから、「自分の体を大切にしよう」と思うことに繋がるように、私がわが子たちにしてきたことをお伝えします。

赤ちゃんの頃からできる声かけ

保育士の仕事で学んだことを生かし、私は、わが子の育児でも、まだ言葉の話せない赤ちゃんの頃から言葉かけを大切にしていました。
ミルクを飲んだら「お腹いっぱいになったね」、眠たくて泣いている時は「眠いのね」、おむつ替えの時には「さっぱりしたね」など。
そうすることで赤ちゃんが、感じている感覚を言葉として身につけていくことができるからです。

「体の大切な部分だから隠す」という感覚を育てるのにも、声かけがポイントだと感じていたので、
おむつ替えの途中で逃げていってしまう時には、「〇〇ちゃんの大事なおしりを隠さないとね〜」と声をかけたり、大きくなってからは、着替えを嫌がる時に「あ~、裸だと〇〇くんの大切な体が冷えちゃうよ〜」と伝えることも。
また、公共の施設で子どもと一緒にトイレに入った時に「絶対に終わるまで鍵をあけないでね。人に見られたら恥ずかしいからね」と伝えるのもひとつです。

これらは、叱ったり、強い口調で伝えるのではなく、日常の中で自然にかけている言葉。子どもたちは、すぐには変わりませんが、繰り返し身近な人にからかけてもらった言葉は感覚として身についていくと思います。

「おしり」や「おっぱい」といった言葉に大爆笑するのは認識の表れ
幼児期には「おしり」や「おっぱい」といった言葉に大爆笑するようになりますよね。大人の嫌がる反応を見てわざと大声でいう子もいます。
それは、「おしり」や「おっぱい」が「体の大切な場所なんだ」という認識ができてきている証拠。
そんな時は、子どもが期待する通りに大人がイヤな顔をしたり、時には「やめなさい」と叱ったり…そんな経験も、子どもに「体の大切な部分だから隠す」という感覚を育てるのにひと役買うと思います。

大切だから隠すと伝える「性教育」

その後、話ができるようになってからしてきたことは、「体の大切な部分だから隠す」「自分の体を大切にする」ということを、きちんと伝えること。
これはいわゆる「性教育」にあたると思います。そう言うと難しく考えがちですが、わが家では生活の中の会話で自然に伝えてきました。

例えば、赤ちゃんと会う機会があり授乳するところを見た日に、「おっぱいは赤ちゃんのご飯なんだよ。あなたたちも飲んで育ったんだよ」と話すこと。
子どもたちは「え~!」とちょっと恥ずかしそうにニヤニヤ。そんなときは、「大切なものだから家族以外に見られないように隠してるんだよ」と伝えました。
またお風呂に入っている時に、私の帝王切開の傷を見た子どもたちが、「どうしたの?」と心配している時には「ここからあなたが産まれてきたんだよ。ここには赤ちゃんのベッドが入っているんだよ」と話しました。
娘には「あなたのお腹にも赤ちゃんのベットが入ってるから大人になるまで大切にしてね」と伝えました。
またお風呂で、男女の体の違いについて話すこともあります。それが「違いがあるから、異性に見られないようにしよう」という意識を持つことに繋がります。

生活の中で、ゆっくりと育つ感覚

こうして育ったわが子たち。息子は年長の時から、下着が出ていたりすると自分で気づいて直すようになりました。
夏場の水遊びの時、野外で着替えることをすごく嫌がったのは大変でしたが、「体の大切な部分だから隠さないといけない」という感覚はきちんと育っているように思います。

娘は年少ですが、人前で着替えることは嫌がるようになり、身なりも気にしています。
助かっているのは、必ず自らスカートの下にはオーバーパンツやレギンスを履くことです。
スカートやワンピースが大好きなのですが、それだけで着てしまうと、かわいいけれど下着が見えてしまうことや寒さが心配です。
しかし本人がそれを嫌がり、オーバーパンツやレギンスを履くので、自分で着替えを選ぶ時も安心して任せています。
そういえば、ある時、兄妹でとっくみ合いのケンカになり、「お兄ちゃん蹴らないでよ!赤ちゃんのベッドが壊れたらどうするのよ!」と叫んでいて、お兄ちゃんはタジタジ、私は笑ってしまいました。

子どもの発達には個人差があり、まわりと比べて心配になってしまうこともあるかと思いますが、言葉だけでは伝わらないことも、どうしてそうするのかという部分を日々の生活の中で、感覚的に伝えていくことで、子どもに深く根づいていくと思います。

小さな時からできる「体の大切な部分だから隠す」という感覚を育てる声かけ、そして「自分の体を大切にすること」を伝えていけば、身なりを自分で整えることに繋がり、これから1人で行動することの増える小学生になっても、自分の身を守る行動をしていけると思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です