「虫キモイ」って言ってない?虫嫌いな私が息子に教わったこと

この季節、散歩にでかけるとさまざまな生き物に出会えます。
蝶やアリ、てんとう虫、トカゲ、カエルなど、身近な生き物は子どもの好奇心を刺激してくれます。
しかし、虫が苦手なママは多いのではないでしょうか?
私も以前は、虫なんて気持ち悪い!と思っていました。でも、今では子どもと一緒に身近な生き物探しを楽しめるように。
今回は虫嫌いだった私が、小さな息子から教わったことをお伝えします。

身近な生き物との触れ合いは、子どもにとって大切な経験

幼稚園で虫の飼育をしたり、自然体験をしたり、小学校では「春を見つけよう」というテーマで生き物や植物を探しに行く授業があるように、身近な生き物との触れ合いは子どもにとって大切な経験。
自分自身も子どものころ、生き物との出会いを楽しみ、捕まえるために友達と試行錯誤したことを思い出します。また、飼育することを通して、命の尊さを学びました。

本当は苦手でも「おもしろいね」と声をかけた

しかし、私は大人になるにつれ、いつのまにか生理的に虫やトカゲなどを苦手と感じるように。
新婚旅行でバリに行った際、露天風呂に大きなヤモリが現れ、絶叫しお風呂から飛び出したことを覚えています(笑)。
日常生活でも小さな虫が飛んでくると、「気持ち悪い」と避けていました。

そんな私でしたが、保育士の仕事で子どもと関わる中で、決めたことがあります。
それは生き物に対する私の感覚を子どもに押しつけないこと。
好奇心旺盛な子どもたち。外で遊ぶと、たびたび「先生!見て!」とダンゴムシを私の手に乗せて見せてくれることがありました。
その時私は、内心「やめて~!」と叫びたい思いでしたが、子どもの好奇心を大切にしたいと思い、ぐっとこらえていました。
そして「おもしろい動きをするね」と一緒に観察したり、「虫と仲良くなれてすごい!」と、触れ合える子どもたちを褒めるように。
私は積極的に生き物と関わる先生ではなかったのですが、触れず困った時には生き物が好きな子に活躍してもらっていました。
大切なのは、子どもが虫に興味を持った時には、否定せずにおもしろがることだと思っていたからです。

息子が生き物の楽しさを教えてくれた

私が本当に生き物を好きになったのは、息子が産まれて数年たったころでした。
散歩に出かけるようになると、息子はアリに夢中になりました。そのため、よく息子の気が済むまで一緒にアリを眺めていました。
ある時、アリが自分より大きな虫を運んでいました。それを見た息子は「ぼくがパパをおんぶするくらい大変だ、すごいなあ」と感動。
また「この巣とこの巣は繋がってるみたい」と気づいたり、アリの行列の先にはなにがあるのかつきとめたり、大人でも楽しめるような発見がありました。
知らない虫を見つけると、名前やその特徴を図鑑で調べたりもしました。

3歳の時には、散歩に出かけた先の草むらで小学生の集団がトカゲ取りをしている中に突入。
まだ小さな息子は小学生のように捕まえることはできなかったのですが、優しいお兄さんが1匹分けてくれ、大喜び。お兄さんと一緒に「ゴロウ」と名前を付け「絶対飼う!」と言い出しました。
トカゲのエサは生きた小さな虫など。トカゲも虫も苦手な私にとってハードルが高すぎるので反対したのですが、息子の意思は固く飼育することになってしまいました。
息子はトカゲを「かわいいな~」と大切にし、自分で世話をする約束を守り、毎日欠かさずエサのバッタやコオロギを取りに行きました。
私は初めのころはトカゲが生きた虫を食べる姿に抵抗があったのですが、一生懸命に世話する息子を見ているうちに、「今日はたくさんバッタが取れてよかったね」と思うようになり、雨でエサの虫が取れない日が続くと「ゴロウ大丈夫かなあ」と心配するようになりました。
苦手だったトカゲにこんな感情を抱く日がくるなんて思いもよらないことでした。

生き物に興味をもったきっかけ2つ

私がさらに生き物に興味を持つようになったきっかけは、息子が見ていたNHK Eテレの「香川照之の昆虫すごいぜ!」という番組です。
カマキリの格好をしたカマキリ先生こと香川照之さんが、子ども向けに昆虫の授業をする番組なのですが、そのトークの熱さと面白さについつい見入ってしまうのです。
そして見終わると、特集された昆虫に対して、不思議と尊敬の気持ちが芽生えるのです。
もうひとつは小学生になった息子の愛読書の「ざんねんないきもの事典」シリーズ(監修・今泉忠明/高橋書店)。
思わずクスっと笑ってしまう生き物の残念な一面が書かれた内容なのですが、実際にその生き物を見つけた時には、「本当だ!」とじっくり観察したくなります。

どちらも親子で楽しめる内容で、生き物が苦手な人も見方が変わる可能性あり! おすすめです。

ママが苦手でも大丈夫、子どもの発見を前向きに見守って

そうして気づけば生き物の楽しさに目覚め、今では息子と生き物探しや飼育を楽しめるようになりました。
子どもの友達に「この虫の名前は〇〇でね…」と解説してしまうこともあるくらいです(笑)。

息子は小学校では「昆虫博士」と言われるくらい、今も生き物が大好きです。
もし私が感情のままに「虫なんて気持ち悪い!」と息子に言っていたら、今の姿はなかったと思います。

保育士でもママでも、苦手なものは苦手でいいと思います。
ママが手出ししなくても子どもは自分なりの方法で身近な生き物と関わっていきます。その時に、否定せず「すごいね!」「おもしろいね!」と、受け止めてあげるだけで充分。その中で子どもと一緒に新たな発見ができたらステキだと思います。

■香川照之の昆虫すごいぜ! 香川照之の昆虫すごいぜ!|番組|NHKアーカイブス
■ざんねんないきもの事典 https://www.takahashishoten.co.jp/zannen/#home


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