実は自立への近道「過保護はすばらしい!」を実感した話3つ

過保護はすばらしい!

“子どもの要求や甘えにどこまで応えるか”は、ママやパパにとって悩むところ。子どもの好きなようにさせて、過保護に育てるのはよくないかなと心配になることもあるかもしれません。でも私は元保育士として、子どもが小さなうちは、子どものわがままに付き合う「過保護」は、その後の成長にとても大事なことであるとお伝えしたいです。今回は「過保護はすばらしい!」を実感したエピソード3つを紹介します。

しっかりものでお友達に優しい保育園児の話

私が保育園の先生をしていたころ、5歳児クラスにしっかり者のAちゃんがいました。保育園の活動は先生の話をしっかり聞いて、なんでもそつなくこなし、困っているお友達がいたらサッと助けてくれる優しい一面もありました。そんなAちゃんの姿が嬉しく、降園時にAちゃんのママに普段の様子を伝えました。するとAちゃんのママの反応は予想外のものでした。
「そんな姿、全然想像つきません! 家ではだらしないし、わがまま言ったり甘えてばかりなんですよ」と言うのです。家庭では自分でできることでも、「ママやって~」と言ったり、抱っこを求めることも多いのだとか。園とは真逆の姿で驚いてしまいました。ですが、Aちゃんは家庭でママに充分に甘えられているからこそ、園でがんばることができるのだと気づきました。ママとのその時間やかかわりが、Aちゃんを支えていたと感じます。

幼児期にいつでも子どもファーストだったママ友の話

娘が幼稚園時代のママ友Bさんは、自分の都合を優先することはなく、いつでも子どもファースト。公園でまわりのママ達がおしゃべりしていても、わが子の「かけっこしよう」「次はおすもうね!」というリクエストにいつも快く対応していました。帰り道、子どもが走れば一緒に走って、車が来ないか見守ります。子どもが遊び疲れると、おんぶして帰ることも。

そんなBさんの子どもは現在1年生になりました。それまではママにベッタリだったのに、年長ぐらいから、ママに甘える姿が少しずつ減って来て、今では親なしの登下校でも交通ルールをしっかり守る小学生になっています。幼少期の甘えたい気持ちが充分に満たされたからこそ、ルールを守る力やガマンする力がついたのだと思います。
Bさん自身も、「あの頃存分に手をかけたから、今は本人を信じて見守れる」と話します。子どもが自分から手を離したら過保護ママをやめ、今ではそっと見守るママになったBさん。子どもの育ちに合わせたかかわり方が、とてもステキだなと感じます。

物を散らかし、虫の絵ばかり描いていた息子の話

先日、小学生の息子が学校で描いた花の絵が、コンクールで入賞しました。その絵を見て、絵が得意な印象はなかったのに、いつの間にこんなに描けるようになったんだろうと驚いたのです。そこで、小さいころからお絵描きとどう向き合ってきたのか思い返してみました。

息子は小さな頃から虫の絵ばかり描いていました。5歳くらいからは、図鑑に紙を重ねてなぞり書きばかり。そのため紙の端っこに小さく書くことが多く、たくさんの紙を消費していました。しかし、それを注意することはなく「細かい所を上手に描けているね」と褒めていました。ごはんやお風呂の時間になっても夢中で描いているときは、声をかけず待つようにしました。夢中になると、次々にハサミや図鑑や色鉛筆を出してきて、部屋を盛大に散らかしましたが、叱らず目をつむっていました。思い浮かぶのはこんなことです。
考えてみると、紙をムダにする、時間を守らない、物を散らかすことは、本来は注意すべきことだったかもしれません。でもそれを咎めず見守ったことで、息子の「好き」や「夢中」を邪魔せず過ごしてこられたのかもしれません。その結果、絵が好きになり、虫以外も楽しんで描けるようになったと感じます。

甘えを受け止め気持ちに寄り添ってあげよう

小さな頃は、「甘えを充分に受け止めること、その子がしていることをしっかりと認めること」がとても大切で、「過保護」が、その先の自立への近道になったり、「好き」を伸ばすことに繋がると思います。

だからと言ってママやパパが疲弊するほどガマンして、子どもの甘えや要求を受け止める必要はないと思います。自分がされて困ることはきちんと伝えることも大切。例えば、うちではお片付けに関してはゆるく見守っていますが、お風呂での水遊びは水のムダ使いをしてはいけないということですぐに止めるようにしています。
叱る・叱らないの基準は各家庭によって考え方が違うとは思いますので、ママやパパが自分らしく自分のできるやり方で子どもの気持ちに、たっぷりと時間をかけて寄り添っていけたらいいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です