不適切保育 とは?子どもの心を守るために親ができること

こんにちは!子育てアドバイザーacoです。

最近仕事でいろいろな幼稚園、保育園に行くようになり感じたことがあります。それは「不適切保育」はとても身近にあるということ。今回は不適切な保育について解説し、子どもの心を守るために親ができることを考えていきます。

不適切保育とは?

不適切保育と聞くと、まず「虐待」を思い浮かべるかもしれません。

身体的虐待…殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、首を絞める など

性的虐待…子どもへの性的行為など

ネグレクト…閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にするなど

心理的虐待…言葉による脅し、無視、など

これらの行為は絶対に許されないことで、園で虐待があればすぐに対応が必要です。

不適切保育 は「子どもの人格を尊重しないこと」も含まれる

ですが、不適切保育は虐待だけでなく以下の内容も含まれます。


① 子ども一人一人の人格を尊重しない関わり
② 物事を強要するような関わり・脅迫的な言葉がけ
③ 罰を与える・乱暴な関わり
④ 子ども一人一人の育ちや家庭環境への配慮に欠ける関わり
⑤ 差別的な関わり

令和2年度子ども・子育て支援推進調査研究事業
「不適切保育に関する対応について」
事業報告書

保育の現場で身近にある不適切保育

この中で身近にあると感じた不適切保育は以下の2つです。

① 子ども一人一人の人格を尊重しない関わり
② 物事を強要するような関わり・脅迫的な言葉がけ

例えば、お昼寝の時間にベットに入りたがらない子へ…

「なにしてるの!おかしいよ!」

「いつもみんなの迷惑なの!」

「寝ないならベット捨てるからね!」

と強い口調で言って、保育士が子どもの腕をつかんでベットに引きずって行く行為…

この例は、①②④の不適切保育に当てはまるのではないでしょうか。

その子がベットに行かないのは、保育士に一対一でかまって欲しい気持ちがあったのかもしれません。まだ遊びたい気持ちがあったのかもしれません。朝起きるのが遅く、眠くなかったのかもしれません。

本来なら、人格を尊重し強要や脅迫をしないために、まずどうしてベットに行きたくないのか気持ちを汲み取り、眠らなければならない理由(疲れて体調を崩してしまう)を話し、ベットに行きたくなるような関わりや環境の工夫をします。生活リズムの問題で眠れないのであれば、保護者と相談をします。

それを怠り、常に脅しや怒鳴りつけることで子どもの行動を促しているのは「不適切保育」です。

もちろん場合によって、子どもを強く叱って気づかせることが必要な時もあります。

また保育士も人間なので、カリキュラムが詰まっていて焦りの気持ちからつい強い口調になってしまうこともあるかもしれません。もちろん子どもの命を預かっている立場として、危険なことをしている時、他人を傷つける行為をした時など強く叱ることが必要な時もあります。

けれど意図的に叱る必要がある時や焦っている時や危険なことから子どもを守る時だけでなく、お散歩の時、給食の時、お昼寝、製作や運動遊びなど集団で行動をすべき時に、脅しや怒鳴りつけて子どもを動かすことが日常的になってしまっている保育士を見かけることがあります。

不適切保育では子どもの自主性は育たない

日常的に脅しの声かけや怒鳴りつけて子どもを行動させると、子どもは怒られたくないため先生のいう事をよく聞きます。一見まとまりのあるいいクラスに見えるかもしれませんが、理由を理解して行動をしていないので、大人が見ていない時にはルールを守れません。自分の気持ちを出さず、みんなと同じことができることを求められるので自己主張をしなくなってきます。

人格形成において大切な時期に、自己主張もできずに、ものごとの良い悪いも考えずに毎日を過ごすのは、本当によくないことだと思います。

背景に保育士の人員不足の問題も

不適切保育にあたる関わり方をしてしまう保育士も、子どもの健康や安全を第一に考え、日々のカリキュラムやたくさんの書類をこなし子どものために一生懸命保育をしているのだとは思います。保育士の人員不足で研修にいけず学ぶ機会がない、子どもや保護者とゆっくり向き合う時間がないという背景もあると思います。

そのため保育士を頭ごなしに責めることはできないのですが、

「子どもの自主性を育てる」という面から見て大きな問題だと思います。

不意適切保育から子どもを守るために親ができること

子どもが不適切保育の被害にあわないように、親としてできることを考えていきましょう。

子どもの様子をよく見てよく話聞く

子どもにとって先生は「正しい人」なので、人格否定をされるようなことがあっても自分が悪いと思い込み親に話さないことも多いです。そのため普段から、園であったことを親に話しやすい関係づくりが大切です。いいことも悪いことも「そうだったんだね」「それはうれしいね」「それはいやだったね」など共感することを心がけ大人から見た「評価」をせず聞くと良いでしょう。また、子どもの元気がない、口数が少ないなど変化がないか気を付けてみていき、様子がいつもと違う時には園でなにかあったか保育士に聞くようにしましょう。

保育に関心を持って協力的な立場でいる

園のできごとや先生や友達の様子など普段から保育園でのできごとに関心を持っておくことも大切です。口調が少しきつくても子どもの気持ちにとても寄り添ってくれている先生もいますし、保護者にはとても親切だけど子どもには、高圧的な姿勢で関わる先生もいます。普段からあたたかな対応をしている保育士が、子どもにキツイ言葉で叱った時は、なにか大きな理由があったのかもしれません。そうではなく日常的に子どもの人格否定をしているのであれば対応が必要です。保育士の人柄を知っておくと不適切保育に早く気づけるでしょう。

保育士が保護者対応などの業務に追われることで、子どもを強い口調でまとめなければならなくなることもあるので、園からのお知らせをきちんと把握し、忘れ物や記名もれなどないようにする協力するなどして、保育士の負担を増やさないことも大切です。

園で対応してくれない時は第三者委員に相談する

子どもの様子がおかしいことが続いたり、不適切保育が疑われる時は、園の苦情受付担当者である園長や主任などに相談しましょう。初めから「不適切保育」と決めつけず、まずは子どもの様子や不安な気持ちを話すようにしましょう。

保育士側の話を聞いてその対応には理由があったことがわかったり、園側がその子にとって負担がある関わりだったと気づき改善してくれることもあります。園と家庭で情報交換し協力していくことで、解決することも多いです。

それでも不安が残る時には、各園に定められている第三者委員に相談しましょう。

うちの子が悪いの?悩む時には…

高い専門性で一人ひとり子どもに寄り添う保育をしている園や保育士もたくさんいるはずです。しかし残念ながら、不適切な保育をしている保育士がいることも事実です。大切な子どもの心を守れるよう、親として子どもの様子をしっかり見守っていきたいですね。園のことで心配ごとがある時は、担当の保育士、園長や主任、必要があれば第三者委員へ相談をしましょう。

園ではなくうちの子が悪いのかな?

こんなことで園に相談したらモンスターペアレントって思われるかな?

相談しても園長や主任の言っていることが信用できない

など、不安に思う時もあるかもしれません。

そんな時は一度こちらにご相談ください。保育士としての経験、2人の子どもを持つママとしての立場から、一緒に最善の方法を考えていきます。

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