新しい環境になじめず元気がないわが子…親のかかわり方NGとOKは

4月からの新しい環境に少し慣れたと思ったらゴールデンウイーク。この時期は生活ペースが乱れたり、まだ新しいクラスになじめなくて戸惑っている子も多いのではないでしょうか。
小学生のわが息子も「仲良しの友達とクラスが離れた」「好きな先生が担任でなくなった」と、ちょっぴり落ち込みながらも、毎朝気合をいれて登校しています。
元気がない原因が明確な時は何らかの対応ができますが、原因を話してくれないと親としてはモヤモヤしてしまいますよね。特に幼稚園児は言葉が未熟で悩みを聞き出すのが難しいと思います。
今回は元幼稚園教諭の立場から、そして2児の母として、この時期に元気のない子の考えられる原因や親のかかわり方についてお伝えします。

元気がないな…子どもの様子がいつもと違う

新年度や新学期は誰しも緊張していますから、いつもと様子が違うこともあるかもしれません。でもそれが1週間、2週間と続き、どんどん表情が暗くなっていったらさすがに心配になってしまいますね。


子どもに「なにかあった?」と聞いても「なにもない」と答えるし…。でもそれは、話したくないのではなく、初めてのことばかりで、きっと子ども自身もなにが一番の原因かわかっていないのだと思います。

親は話をどう聞きだす?

そんな時私がおすすめしたいのは、寝る前とお風呂の時間のふれあいです。
小さな子どもは目の前のことしか考えられません。何かしながらではなく、気になるものがなにもない状態で話をしていると、その日のできごとをポツリ、ポツリと断片的にでも話してくれることがあります。

「幼稚園どうだった?」という質問はNG
また、つい聞きがちな「幼稚園どうだった?」という質問、実はこれは子どもには答えにくいのです。なので、できるだけ具体的な質問…例えば「給食、おいしいでしょう?」などと聞いてみましょう。
すると「うん、すごくおいしいよ」と答えるかもしれません。でも、もしかしたら「給食、多くて食べきれないの」と答えてマイナスイメージを持っていることが発覚するかもしれません。この給食のことが、元気のない原因ということもあります。


このように具体的な質問をするためには、園でどのようなことをしているかを知っておく必要があります。そうすると話題のレパートリーが増え、子どもが答えやすい質問をすることができます。
バス登園の人はお迎えに行ってみたり、園だよりやクラスだよりを注意深く読んでみたり、園のママ友と話したりしてみましょう。

聞くときにはプラスの要素で
そして質問するときは、子どもがその質問が原因でイヤなイメージを持たないように「〇〇先生優しいでしょう?」「かけっこ楽しそうだね」「〇〇くんっておもしろいね」など、「プラス」の聞き方を。
けれどもし、子どもが「イヤなことを言ったら怒られるかも」「苦手なことが恥ずかしい」と感じていて言いにくそうにしていたら、「折り紙って難しいよね、ママも苦手だったな」「お当番って緊張しちゃうよね」などと、あえて共感するような聞き方をするのもおすすめです。

園の先生との連携のとり方

元気のない原因が分かったら、そのことを担任の先生に伝えるといいと思います。
家でも自分から話してくれなかったことは、先生も気づいていない可能性が高いです。先生も子どもとの付き合いが始まったばかりで子どもの気持ちや行動を把握しにくい時期なので、保護者が伝えてくれるととても助かります。


子どもが元気がない原因は、大人からみると些細なことに感じる場合も多いです。そして園では、イヤだな、苦手だな…ということを言えずにガマンしていることがあります。先生にほんの少しだけサポートしてもらうことで、早く新生活を楽しめるようになると思います。
先生が状況を把握できても、イヤなことをすべて取り除くことはできません。ただ、友達関係が原因なら仲立ちをしたり、苦手なことがあれば難易度を下げたり、励ましの声掛けを増やしたり、できることはいろいろあります。ですので、「こんなことくらいで」と思わずに、遠慮せず先生に相談してくださいね。


もし原因がわからない場合も一度家での様子を伝えておきましょう。先生も今まで以上に注意深く見てくれますし、園での様子を聞くことでママも安心できるはずです。

家での時間は心の安全基地

原因がわかってもわからなくても、「どんなことがあっても味方だよ」「あなたが大切だよ」というメッセージを伝えておくことが何より大切です。家での時間が心の安全基地になっていることで、外で難しいことにも挑戦することができるのですから。


子どもの適応能力は本当にすごいです。新学期や長期休み明けに行きたくないと泣いていた子も、好きな遊びや仲良しの友達ができるとキラキラの笑顔で登園するようになります。イヤなことを取り除くことだけが解決策ではなく、楽しいことを知ったり見つけたりすることでも子どもは元気になれます。


園ではこれから楽しい活動がいっぱいあるので、心配し過ぎず見守ってくださいね。
幼稚園、小学校…と子どもが大きくなっていくにつれて親が解決してあげられることは少なくなっていきます。けれど話を聞いて共感すること、安心できる存在でいることはずっとしてあげられることです。ぜひ幼稚園時代から子どもと外でのできごとを言い合える関係を築いていってほしいと思います。


これからもたくさんの壁にぶつかりながら、自分で乗り越え成長していく子どもたち。子どもの心に寄り添いながら、がんばるパワーをあげられるママやパパでいたいですね。

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